月刊ARTcollectors(アートコレクターズ)の2014年1月号(2013年12月25日発売)に掲載いただきました。
掲載にあたり、インタビューにて自分の制作コンセプト等をお話しさせて頂きました。
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↓↓ 以下、掲載記事文面 ↓↓
〝欲望〟と〝希望〟のかたち
古河原は初期から一貫して女性を描いている。
しかし彼女が表したいのは、女性の容姿の美しさではなく、彼女らの内なる宇宙である。
リズミカルなタッチで導き出された、しなかやな仕草や思いを抱えたまなざし……。
それらの表情が、女性達の心の在りようやいのちの息吹を伝えている。
古河原は、人間の内に満ちるあらゆる欲望のことを、「清い欲」と呼び、肯定している。
時に薄汚れていたり、したたかだったりする、人間の欲望。
彼女はそれを恥じることなく受け止め、見つめたいと考えている。
人間とは、清濁をあわせ持つからこそ愛おしく、その心の奥はかならず澄んでいると信じている。
そういった強いヒューマニズムが、彼女の制作のベースをなし、作品にメッセージ性を与えている。
初個展からまだ半年だが、今回の出品作をみると、筆の動きがより闊達になり、フォルムも力強くなっている。
色彩も鮮やかだし、ますます輝いている。
背景はすでに絵具という物質の層ではなくなり、人間の欲望を受容し、見守ってくれる空間と化している。
この空間は、彼女が創作の過程で発見した、広大な空と言ってもよいだろう。
「素描は発見。タブローは実験。
どちらにしても私にとって作品はすべて過程です」
だから古河原の作品は、作品として完結することはない。
古河原泉の現在進行形の絵画世界を見て欲しい。 (編集部)